前回は、明治時代に録音された音源を取り上げました。こういった過去に残された記録をどう後世に伝えるか、その役目を担うライブラリあるいはアーカイブについて考えてみましょう。
文字やレコード録音、写真、フィルムなどに残された記録は、いわば人類の文化遺産とも言えるものです。これらは、何もしないでおくと散逸してしまい、二度と目に触れることができなくなります。そういった意味でも、それらを適切な形で保存して公開し後世に引き継ぐことは現代人にとって、とても大切な使命と言えます。
これらを行なうのがアーカイブの役割になります。行なうことの第1は資料そのもの(1次資料)を確実に保存、保管することです。次に、それらの様々な属性情報を収集、分類、整理することです。さらに、それらを埋もれさせることなく広く公開して多くの人が見る(聴く)ことができるようにすることです。
いくつか、例を上げて考えてみましょう。
博物館や美術館は、このような機能を持っています。人類の遺産ともいうべきたくさんの
作品や発明品などのいわゆる名作を観ることができます。しかし、ここに収めることができるのは、極一部だけです。これ以外にも多様な分野ごとに、たくさんの記録、作品が存在します。それらをどう保存して伝えるかが問われることになります。
この名作ライブになじみが深い文学のような文字のみの情報の場合は、比較的扱いやすいと言えます。もっとも馴染みが深いのが図書館です。ただし、図書館に行っても必ずしも目的の本が見つかるとは限らないことはよく経験することです。ここでも、全てを保存して公開することは物理的に困難なことです。最近では、著作権の切れたテキストを、青空文庫の成果でも見られるように、ITを使って広く見ることができるようになりました。これなどは、うまく機能している例として上げられるでしょう。もっとも、筆者の直筆や、初版本、推敲原稿などは、文字以外の情報も重要なので意味が異なります。国立国会図書館の近代デジタルライブラリは、それらまで扱っていて、今後が期待されます。
http://kindai.ndl.go.jp/index.html
最近、報道などでよく耳にするgoogleの書籍の電子化プロジェクトは広い意味でこの範疇に入ります。これなどは、上記などよりは、はるかに規模が大きく影響力が大です。絶版になったりして入手困難なもの、著作権が切れたものを容易に見ることができることは大きなメリットです。しかし、著作権の存在するものまで含まれることが、最近、その手法の強引さから問題になっています。利用者の利便性と、著者の権利を守る、というのは常に背反し、特にデジタルテクノロジー時代になってから、より問題が顕著になっています。
法整備ともからんでもっと議論が必要です。
さて、書籍は、図書館や上記の例でもわかるように、進んでいる分野です。美術作品などの一部の評価が高い芸術作品は、それ自体に価値があるので、アーカイブなどと言わなくても残すことができます。実は、これら以外にも保存と公開が必要とされる多種多様な分野が存在します。あまりメジャーではない分野あるいは大衆文化として消費されてしまい、時間が経つとなくなってしまうものなどです。実は、こういったものこそアーカイブの考え方が重要になってきます。
その話はまた次回に。
名作ライブ 鈴木
コメント