今回は最近公開された新しい映画作品を取り上げます。
キャデラック・レコード ~音楽でアメリカを変えた人々の物語~(原題:CADILLAC RECORDS ,2008米)という映画です。1950年代から60年代のアメリカのポピュラー音楽の転換点を描いた作品です。ブルースの発展とロックの誕生までがアメリカの歴史と重なって描かれます。その音楽の演奏シーンもいいのですが、黒人社会で生まれた音楽がどのよ ...
武満徹を偲んで、その音楽についてもう少し書いてみます。有名なものとしてはオーケストラと尺八、琵琶が共演しているノヴェンバー・ステップスあたりを一般的には上げることになるのでしょう。もちろん本分はそのような現代音楽ですが、前回書いたように、もう少しわかりやすく親しみやすい音楽もたくさん残しています。石川セリとのポピュラーソングのCDまで出しています。また、クラシックギターに愛着を持っていて、オリジ ...
前回に続き「波の盆」です。この作品の音楽は武満徹(1930-1996)が書いています。武満徹は、いわゆる西洋音楽の中の現代音楽というジャンルの作曲家です。多くの管弦楽曲、ピアノ曲、ギター曲などを残しています。しかしその中には日本的な感性が色濃く反映されています。その西洋と東洋を越えたところから聴こえてくる独特の響きに多くの人が魅了されました。海外にも多くの信奉者を持っています。私もその一人です。 ...
今年もお盆と共に終戦記念日を迎えました。毎年その暑さと共に戦争のことが思い出されます。といっても、多くの人は戦後生まれで直接体験はしていません。しかし多くの語り部による戦争体験の記録、そしてたくさんの人たちによって描かれた文学、美術、映画、音楽などの作品の中にその記憶が留められることによって、これからも語り継がれていくことでしょう。
そんな中、思い出した作品があり何年か振りに見たものを紹 ...
今回は、澁澤さんについての雑感を書いてみますが、極めて個人的なことになるのであしらかず。
もちろん面識があるわけでもなく、その著書を本格的に読み出したのは亡くなってからです。実は、私は80年代に澁澤さんが住んでいた北鎌倉の家からすぐ近くに住んでいました。鎌倉のどこという話をするときには、xx寺の近くというとすぐわかります。澁澤さんの家は、アジサイ寺で有名な明月院のすぐ近くです。私は80年代の ...
前回に続き「高丘親王航海記」について書いてみます。この幻想的な物語の豊かな語彙からつむぎ出される芳醇なイメージは筆舌に尽くせません。例えば、迦稜頻伽、羅羅人、采女、アンチポデス、パタリア・パタタ姫、などなど(読み方と意味はあえて伏せておきます)。地名、人名、固有名詞が多いですが、読み進めるとそこから様々なイメージが頭の中を駆け巡ります。難しい漢字も多いですが、漢字というのはこんなに豊かなイメージ ...
今回は、夢野久作に続き幻想と怪奇の世界を描いた特異な作家のお話です。その作家は、澁澤龍彦(1928-1987)です。フランス文学を中心に、マルキ・ド・サドの著書の紹介で知られます。裁判で有名になったこともよく知られています。たくさんのエッセイを書いていますが、どれも人間の精神面、特に陰の部分や暗黒面についての博識ぶりは他の追随を許しません。三島由紀夫も絶賛しており、多くのファンがいると思います。 ...
今回は、名作ライブにも蔵書がある夢野久作の著書についてです。6月に追加版として「ドグラ・マグラ」と「少女地獄」を載せました。初回版に載せるのはためらわれましたが、今回は満を持しての登場です。(大げさかな)
「ドグラ・マグラ」ですが、天下の奇書と言われます。沼正三の「家畜人ヤプー」と双璧をなします。個人的にはこの二作は名作だと思っています。(名作の定義は人によるので、そう思わない人がいても ...
7月になりました。
トップページのCLOSE UPを「祝 横浜開港150周年」にリニューアルしました。
現在、横浜市では開港150周年記念の様々なイベントが行なわれています。
日本が長い鎖国の時代に終わりを告げて、世界に向けて開国してからちょうど
150年になりました。
幕末の動乱を経験して、明治時代に入り、日本は近代化の道をひた走ることになります。
開港と開国は、名作ライ ...
「東京物語」に触発されて眼を広げてみました。同じような世界観を感じさせる映画を思いおこしてみます。日本人では現役の作家が中々思い付きません。現在の閉塞的な日本の社会がそうさせているのかもしれません。一方、中国の映画監督には何人か思い当たります。一人は、中国のジャ・ジャンクー監督です。「世界」(2004)「長江哀歌」(2006)など、若手ながら近年優れた作品を送り出しています。激変する社会の中に生 ...