中国と日本で愛され数奇な運命をたどった歌とそれを巡る人々の物語です。
その歌のタイトルは「何日君再来(ホーリイチュンツァイライ)」(いつの日君帰る)です。中国では、戦前に上海で活躍し黄金の声と称えられた周璇(チョウ・シュアン)によって歌われたことによって広く知られることとなりました。その後、李香蘭(山口淑子)、戦後は、鄧麗君(テレサ・テン)によっても歌われ広く大衆に親しまれました。現在に至る ...
7月14日付けの新聞の訃報欄を見ていたらアイルランドでJ.P.ホーガン(69歳)が亡くなったという記事を見つけました。まだ現役の作家で新作も読めると思っていたのでショックでした。
J.P.ホーガンは英国のSF作家です。ハードSFと呼ばれる分野がありますが、その代名詞ともいうべき作家です。1978年のデビュー作「星を継ぐもの」は衝撃でした。月面調査隊が月面で死体を発見します。それは5万年も ...
このコラムではある作家の創作による作品を取り上げることが多いのですが、そのような創作物以外にも優れたドキュメンタリーや評論の本がたくさんあって読書の楽しみを広げてくれます。
今回は千一夜物語で知られるアラビアンナイトのお話しです。
といっても、そのお話しそのものではなく、いかにしてアラビアンナイトが生まれて世界に広がっていったかという物語を解説した本からの紹介です。
西尾哲夫著「 ...
前回の続きです。
アメリカの作家エドガー・ライス・バローズ Edgar Rice Burroughs(1875-1950)の作品について書いてみます。
前回は「時間に忘れられた国」について書きましたが、私にとってのバローズは、何といっても子供の時に読んだ「火星シリーズ」というSF冒険活劇小説の作家として永遠に記憶されています。
バローズを語るには個人的な読書体験をまず述べる必 ...
今回はエンターテイメント小説の話です。少し前のことですが、古本屋で懐かしい作家の本を見つけました。アメリカの作家のエドガー・ライス・バローズ Edgar Rice Burroughs(1875-1950)の作品です。
「時間に忘れられた国」(創元SF文庫、原題:The Land that Time Forgot、1918)
実はE.R.バローズにはとても思い入れがあります。大分前 ...
ここでは、歴史的なことを踏まえて書くことが多いので、どうしても昔はよかったというノスタルジックな話になりがちです。個人的にもそのような古典的な作品に愛着があります。そのような文脈では、本やレコードといった「物」への愛着を捨て去ることは難しいことです。しかし、現在の世の中に生きている私たちは、時代にあったスタイルも共存させていく必要があるだろう、というのが今回の主題です。
例で説明しまし ...
書物がいかに人類にとって大切であるかについての物語を前回取り上げました。それらの書物を集めて整理、保管、閲覧できるようにしたものが図書館です。今回は図書館についての雑感を書いてみます。
人類が文明を持つようになり文化が生まれると記録を残したいと思うようになります。それを書物の形として後世に残すことができるようになります。そうすると、その知識の集積体ともいえる書物を一箇所に集めたいと思うよ ...
前回の続きです。東洋で守るべき写本は仏教の経典でした。その話が井上靖の「敦煌」に結実しました。一方、西洋で後世に伝えるべき写本を扱った作品が今回のテーマです。
戦後すぐに、死海の西岸にあるクムランで、大量の巻物になった写本が発見されたことは大きな話題になりました。書かれたのがちょうどイエス・キリストの時代だからです。つまりこれらを解読できれば現在の西洋の基盤を支えているといってもいい原始 ...
人類による文字と印刷技術の発明によって本の大量複製ができるようになり、世界が変わった話は(28)(29)でもしました。
今回は印刷技術の発明以前に一冊(一巻)の書物がどれだけ価値があったかという物語についてです。
というのも、つい最近の報道を見て色々思ったからでした。グーグルによる世界中の書籍の電子化プロジェクト、さらには電子書籍端末のキンドルやiPadの発売の報道がそれです。国内 ...
このところ思うところの雑感です。
昔と比べて現代社会では情報が爆発しています。ここでも何度かメディア史などを紐解きながら触れてきました。現在は、新聞、雑誌、本、テレビにインターネットといったメディアを通して毎日大量の情報が発信されています。その情報の洪水に押し流されないようにしなければいけません。下手をすると溺れてしまいます。
その中から自分にとって意味のある情報を読み解くスキルが必 ...